45歳、なんとなく将来が不安…
いつまでも社内評価が低くて、このままでいいのかな?
45歳で転職って現実はどうなの?
この記事を読んでいるあなたは、45歳前後での転職に興味はあるものの、本当にできるのか不安に思っているのではないだろうか。
実際、45歳での転職は厳しい。
45歳を超えると求人が減るというデータがある。
しかも、45歳の転職では「年収が下がる」こともあり、転職した後の生活への影響を考えるとリスクが高い。
とはいえ、45歳で転職を成功させた人も少なからずいるのは事実。
この記事では、50代の筆者が自身の2回の転職経験や友人たちの体験談も踏まえつつ、「45歳転職の現実」と「45歳転職を成功させるパターン」や「45歳の転職を成功させるためにやるべきこと」について解説。
最後まで読むことで、難しいと言われる45歳での転職の成功にグッと近づけるだろう。
大学の工学部卒業後、電気関係のメーカーで研究職として勤務。大手特許事務所に転職し、パテントエンジニアとして勤務後、医療機器関係のメーカーの知財部に勤務。家庭の事情で退職後、パテントエンジニア時に培った文章を書くスキルを生かしてライターの道へ。
1. 45歳の転職の現実は厳しい
現実的に、45歳の転職は厳しい。
2つのポイントから、45歳の転職の現実の厳しさをお伝えしたい。
1-1. 数値から見る45歳の転職の現実
45歳を超えると求人が減るため、転職は厳しくなる。
「平成22年国勢調査 職業等基本集計結果」によると、45歳の多くは、管理職や高度な技術職、事務系の職種に就いている。
(参考:総務省統計局「平成22年国勢調査 職業等基本集計結果」)
45歳前後の人の多くが就いている職種の有効求人倍率は、44歳まででは1.0以上である。
しかし、45歳を超えると、有効求人倍率は1.0を下回ってしまうというデータがある。
(参考:関東労働市場圏有効求人・有効求職 年齢別バランスシート)
つまり、45歳までの年代では一人に対して1件以上の求人があるが、45歳を超えると一人に対して求人は1件未満なのだ。
45歳の転職は、転職したくても求人の数が少なく厳しい状況である。
1-2. リスクから見る45歳転職の現実
45歳の転職には大きなリスクがあり、このことからも現実は厳しい。
45歳の転職では、年収が下がる可能性がある。
この年代では、子供の進学や親の介護など収入を減らせないというのが実情だ。
しかし、45歳の転職では条件によっては年収が下がることも十分に考えられる。
また、45歳の転職では、転職した先の上司や同僚が年下となる場合が多い。
年齢を重ねているため、新しい人間関係や職場に馴染めず、仕事が続かない場合もある。
さらに、45歳の転職では、企業は管理する能力を求めているのが実情だ。
「人を管理する能力」や「業務の進行を管理する能力」「他の部署との調整をする能力」などが求められる。
45歳で、このような能力を全て持っている人は少なく、採用する基準に達しないこともあるのだ。
つまり、45歳の転職では、年収が下がるリスク、転職したものの馴染めないリスクを持った状態で活動しなくてはならない。
しかも、採用する基準に達しないリスクもある。
多くのリスクを抱えた45歳の転職の現実は、厳しい。
2. 【知っておきたい】45歳の転職で失敗するパターン4選
45歳の転職を失敗してしまった人に多いパターンは以下の4つである。
2-1. 転職の理由と将来どうしたいかが漠然としている
「なぜ転職したいのか?」「転職した先に仕事の上でどうなりたいか」がはっきりしていないと転職に失敗する。
45歳の転職だからこそ転職する理由は非常に大切だ。
転職を考えたきっかけが、ネガティブな感情や考えでも、掘り下げていくと「こうしたいから転職する」というポジティブな面がある。
会社の都合であれ、自分の都合であれ、ポジティブな転職理由まで掘り下げておくことが重要だ。
転職理由をはっきりさせることは、企業を選ぶときの基準となるため役立つ。
そして、45歳の転職だからこそ、仕事の上で将来どうなりたいかは重要だ。
45歳から勤め始めた場合、勤続する年数は若い人よりもずっと短い。
短いからこそ、企業は「将来、仕事の上でどうなりたいと思っているか」、「仕事に関してどう考えているか」を重要視する。
例えば、「技術を極めたい」が理由で、転職後は「技術を後輩に伝えたい」場合に、業務や人員の管理の案件に応募しても採用されない。
2-2. 過去の実績や栄光にこだわりすぎている
過去の実績や栄光にこだわりすぎると、転職に失敗する。
過去の実績や栄光は、本人の実績を裏付けする、自信を持つのに非常に重要だ。
しかし、こだわりすぎると視野が狭くなり、転職機会をのがすこともあるので注意が必要である。
「表彰されたプロジェクトに参加していた」場合、実績や自分の役割を説明するのに使うのは有効だ。
しかし、同じ規模のプロジェクトがない職場を視野に入れないなどの考えは転職する機会を逃してしまうのだ。
2-3. 年収アップや役職維持にこだわりすぎている
年収アップや役職維持にこだわりすぎても、転職に失敗する。
45歳の転職では年収が下がるケースがあるのは事実で、どの程度まで下がっても大丈夫なのかを明確にすべきだ。
企業によって役職のパターンは異なるため、転職先の役職とあなたがイメージしている地位が違うこともある。
年収アップや役職維持にこだわって転職の機会を逃さないようにしたい。
2-4. 45歳に企業が求める人材条件を理解できていない
45歳に企業が求める人材の条件を理解しないと、転職に失敗する。
企業が45歳の人材に求めるのは「管理する能力」だ。
45歳という年齢では、実際の業務ができることは当たり前で、業務を理解した上で管理する能力が求められる。
若手の転職とは大きく異なることを理解すべきだ。
企業が求めているのは、人をまとめる、管理する力だけではない。
「業務の進行を管理する」、「他の部署との調整をする」といった業務の全体を管理する能力を求めている。
さらに言えば「他社との交渉や折衝をする」ことも求められている。
そもそも大企業すらリストラする時代が始まってるのに、中小だった人がリストラ食らったら45歳フリーターになっちゃいますよ
それなら日々自学含め学びながら転職して求められる存在になった方が幸福度爆上がりな気がします
*Twitterより抜粋
このように、45歳の転職には、業務だけでなく管理する能力や折衝する能力も必要なのだ。
例えば以下のような経験や能力があなたにあるかどうか確認してみるのがおすすめだ。
経験・能力 | 例 |
---|---|
人をまとめる力 | 何人かのチームのリーダーになった |
人を管理する力 | 人の配置や勤労時間を調整していた |
物事を進める力 | プロジェクトをすすめて完成させた |
物事をスケジュール通りに管理する力 | プロジェクトなどがスケジュール通り進むよう管理調整していた |
物事をバランスよく調整をする力 | 複数の部署が関わるプロジェクトの調整をしていた |
交渉や折衝する力 | 他社との共同事業で窓口になっていた |
45歳の転職で一番重要視されるのが「調整する力」で、特に重点を置いて確認したい。
3. 45歳で転職を成功させた人の口コミ・体験談からわかる成功パターン7選
45歳で転職を成功させた人の口コミ・体験談から成功パターンが見えてくる。
成功パターンは以下の7つだ。
- 転職に対する抵抗がない
- 新しい環境にすぐなじめる
- 人や物事を管理する能力がある
- 高度で専門的な知識や経験がある
- 未経験でも勉強をして実力をつけている
- 転職のタイミングをきちんと考えている
- 転職後も社会人の基本を守れる
45歳で転職を成功させた人の口コミ・体験談を6件挙げる。
転職に成功した人の口コミ・体験談①〜③に見える成功パターン
良かったことは転職に対する抵抗感がなくなったことと、新しい環境への順応性が高まったことかな。
特に人間関係の上で、今では就任第一日目で古株みたいな振る舞いが出るようになってしまいました。
そして業界内での知名度が高まって転職に困らなくなった。
何処の企業もね即戦力が欲しいんですよ。
ところが大半の即戦力は一つの企業に留まってる。
最近は社員の会社に対する忠誠心が薄まったと言われてますが、まだまだロイヤリティーのレベルは高いですよ。
だから即戦力はそう簡単に人材市場に出て来ない。
でも一度会社から離れた人材は条件さえ合えば移って来る可能性がある。
転職してからは何回か同業他社さんからお声をかけていただくようになりました。』
〇〇さん、今度うちの会社で新しいPJを立ち上げるんですけど参加してもらえませんか?なんて。。。
今では新規プロジェクトの立ち上げ要員みたいになってしまって、PJの立案段階から参加し、準備段階から創業まで数年のスパンで関わって、立ち上げてしまったらその会社のプロパー社員にバトンタッチする。
その後、また新しいPJに参加して一から始める。みたいなことをやってます。
おかげさまで事業の立ち上げノウハウは取得しましたね。
今のところ自分の最大の武器になってますので転職してよかったのはそれが一番かな!!
*「教えて!しごとの先生」より抜粋
45歳で転職したのは
大学時代に目指し
叶わなかった仕事
20年以上たち社会事情が変わり
その仕事の求人増
卒業時に正社員の道は
皆無だったのに
45歳では大学時代の専門が買われて
いきなり正社員
人生何が起きるか分かりません
*Twitterより抜粋
45歳高卒製造業しかやって来なかった私が、今年IT会社に転職出来ました。間違いなくこのコミュニティに入って挑戦をし続けた結果だと思います。素晴らしい仲間に出会えて感謝しかありません。人生に遅いなんか無い!チャレンジあるのみです🚀
*Twitterより抜粋
転職に成功した人の口コミ・体験談①〜③に見える成功パターンは下の5つだ。
- 転職に対する抵抗がない
- 新しい環境にすぐなじめる
- 人や物事を管理する能力がある
- 高度で専門的な知識や経験がある
- 未経験でも勉強をして実力をつけている
つまり、45歳の転職では、即戦力もしくは即戦力となるスキルが重要である。
45歳で1つの企業にずっと勤務していた場合、実は「1.転職に対する抵抗がない」「2.新しい環境にすぐなじめる」が難しいのだ。
これは「失敗するパターン」の「過去の実績や栄光にこだわりすぎている」や「役職にこだわりすぎている」とも通ずるポイントだ。
過去の栄光や役職を引きずって、転職したことをネガティブに捉えていると、転職先の同僚や上司はいい気持ちはしない。
いつまでも新しい会社や環境になじめないと、ますます孤立してしまう。
結果、せっかく転職しても続かないという場合もあり、45歳の転職の厳しさでもある。
「3.人や物事を管理する能力がある」「4.高度で専門的な知識や経験がある」は該当する人が多い。
ただし、転職先が求めるレベルに達している事が重要だ。
「5.未経験でも勉強をして実力をつけている」に関しては、未経験はもちろんのこと、現在の業務でも勉強は重要だ。
口コミ・体験談①のように、一度成功して基盤を作れば、また転職してステップアップする道が開けることもある。
まずは、「転職に対する抵抗感」を取り除くことから始めたい。
転職に成功した人の口コミ・体験談④〜⑤に見える成功パターン
45歳の転職を成功させた人の口コミ・体験談からは「転職のタイミングをきちんと考えている」ということもわかる。
45歳の転職を成功した人は、無計画に転職せず、いいタイミングで転職している。
転職に成功した人の口コミ・体験談⑥に見える成功パターン
45歳の転職で成功した人の口コミ・体験談からは、転職後の自分の態度も大事なポイントだとわかる。
転職後に勤務し続けられるかどうかも大事なポイントだ。
40代転職者が長続きするための
ポイント5つ
1 上司や同僚が年下でもリスペクト
2 周りと仲良く
3 今に集中、今に感謝
前はこうだったのに、と思わない
4 3日、1週間。1か月。3か月
節目ごとに続けた自分を褒める
5 投げ出さない。辞めない
負けずにいこう
*Twitterより抜粋
年齢に関係なく「転職後も社会人の基本を守れる」ことが45歳の転職で転職後も働き続けて成功するポイントだ。
4. 45歳の転職を成功させるためにやるべきこと
45歳の転職を成功させるには、失敗パターンの逆パターンの思考が大切である。
その上で、成功した人の口コミ・体験談からわかる成功ポイントを押さえた準備をするべきだ。
45歳の転職を成功させるには、以下のポイントを押さえて準備をしたい。
4-1. 転職後の進路や方針をはっきりと決める
転職後の進路や方針をはっきり決めないと、45歳の転職は成功しない。
45歳の転職では、若い人と比べて転職後の勤務期間は短いという特徴がある。
この限られた勤務期間中になにをしたいのか、転職先にどう貢献できるのかをはっきりさせておけば、ミスマッチも防げる。
45歳の転職では、転職後の進路や方針をはっきり決めるべきである。
4-2. アピールできるポイントをまとめる
45歳の転職では管理する能力が重視されるため、特に管理業務に関してアピールできるポイントをまとめておく必要がある。
それには、キャリアの棚卸しをして、専門的な知識や経験の深掘りをおこない、特に管理業務に関してまとめておくべきだ。
45歳の転職では管理する能力をアピールできるようにポイントをまとめておきたい。
4-3. 転職までの具体的なスケジュールを決める
45歳の転職では、現在の勤務先に在籍しながらの転職活動が基本なので、転職までのスケジュールを決めて活動することが重要だ。
45歳の実情として、多くの場合子供の進学や親の介護に備える必要などがあり、収入が大きく影響する環境にある。
このため、転職は一人で決断せず家族に相談し了承を得ることが、成功への近道だ。
自分の年齢だけではなく、家族のライフイベントを十分考えた上で転職する時期を決めたい。
5. 45歳の転職で利用したい転職サービス
45歳の転職では、以下のような特徴をもつエージェントサービスを利用したい。
- 求人数が多い
- ハイクラス転職もある
- 40代に特化している
- 地方に強い
ただし、エージェントによって得意不得意分野があるので、あなたが必要としている情報を持つエージェントに登録することが必要だ。
また、複数のエージェントに登録することも大切である。
上記のような特徴を持つエージェントを紹介したい。
5-1. リクルートエージェント
まず、圧倒的に求人数が多く、非公開求人も多いリクルートエージェントがおすすめだ。
10年前転職活動をしていた時は40代以上の求職者は転職エージェントに登録しても「現在紹介できる案件はございません」という回答が多かった。
昨年リクルートエージェントは45歳以上専任のキャリアアドバイザーが在籍しており大量の求人を紹介してくれた。
40代以上の転職市場は確実に拡大している。
*Twitterより抜粋
この口コミにもあるように、45歳以上専任のキャリアアドバイザーがいるのも、45歳の転職に向いている点だ。
特に、45歳で初めて転職する場合にすすめたい。
年齢ならではの進め方や、何をするべきなのか、どうすすめればいいのかなどの相談にも応じてくれる。
5-2. doda
dodaは、求人数が多いこと、サイトで自分で転職先を探すことと転職エージェントサービスを併用できることからおすすめしたい。
dodaのサイト情報は、45歳の転職向きの求人を出している企業を把握する、条件の傾向を見るなどの情報収集にも使える。
このとき、自分が経験している業界や職種を中心に、大手企業だけでなく中小企業も検討することをすすめたい。
5-3. ビズリーチ
求人数が多く、ハイクラス向けの転職サービスであるビズリーチもおすすめだ。
40代向けのITやWeb業界、ものづくり業界、金融業界と業界に特化した求人があるのが特徴だ。
また、エグゼクティブ求人、女性求人など幅広い分野の求人がある。
面談なしで活動開始できるため、時間が中々取れない45歳でも転職活動を始めやすい。
5-4. ミドルの転職
40代の転職に特化しているミドルの転職もすすめたい。
登録者の平均年齢が45歳で、年収1,000万円以上の求人を多く取り扱っているのが特徴だ。
スカウト機能があるため、自分で探す以外に企業からのオファーを待てることからも45歳の転職に向いている。
また、非公開求人件数が多くマッチすればライバルが少ないことも45歳の転職に向いているポイントだ。
5-5. ハローワーク
地方での転職には、ハローワークも活用したい。
全国展開の転職サイトは、地方の求人に弱い側面がある。
しかし、ハローワークは、地域密着型であり、地方の求人にも強い。
インターネットでも調べられるため、忙しい45歳の転職にも向いているのだ。
6. 45歳の転職で利用したい調査サイト
45歳の転職では、求人の情報だけでなく、自分の市場価値や転職先の情報を自分でも調べるべきだ。
この2つのサイトを利用することをおすすめしたい。
6-1. ミイダス
ミイダスは、自分の市場価値を確認できるサイトだ。
職務経歴などの質問に答えると、あなたの推定年収を「◯◯万円」という形式で表示してくれる。
この金額と転職先の条件を比較すれば、現在の年収にとらわれずに比較できる。
ただし、高めの金額が表示される傾向があるのが注意点だ。
6-2. OpenWork
OpenWorkは、社員や元社員の口コミなどが見られるサイトだ。
企業の公式HPからはわからない会社のリアルな実情を把握できるため、企業分析に大いに役立つであろう。
【まとめ】45歳の転職は年齢に応じた成功パターンを押さえて準備しよう
45歳の転職の現実は確かに厳しい。
しかしながら、成功している人もいる。
失敗するパターンと成功した人の経験に基づく成功パターンから、45歳の転職では「管理する能力」が重視されているのは明らかだ。
「管理する能力」を最重要とし、他のポイントも押さえて十分な準備と活動をすれば、あなたの45歳の転職は成功するに違いない。