営業に同行し、顧客へプレゼンやデモをして契約へと結びつけるプリセールスエンジニア。
ITの専門知識や技術的スキルを活かした提案で「ITの専門家」として社内外で頼られる存在です。
高いスキルが必要となりますが大きなやりがいを感じられるプリセールスは、転職市場でも人気の職種のひとつです。
では、実際にどのくらいの年収を狙うことができるのでしょうか?今回はプリセールスの収入事情に迫ります。
プリセールスの年収は高め
プリセールスは技術的スキルと営業スキルを必要とし、専門性が高いため未経験者ではなかなか難しい職種です。
だからこそプリセールスとして活躍できる人材は貴重であり、市場価値も高め。
高い年収も狙うことができる職種なのです。
プリセールスは営業で提案やプレゼンをして受注を獲得するため、受注件数でのインセンティブやボーナスへの反映も期待できます。
また企業が指定する資格に合格できた場合は「資格手当」や「合格報奨金」なども得られる可能性があります。
プリセールスの年収相場は
国税庁の民間給与実態調査によると、令和元年度の日本人の平均年収は436万円。
プリセールス(セールスエンジニア)は日本人の平均年収よりも多く得ることができるのでしょうか。
一体どのくらいの年収相場なのか、転職サイト「doda」や口コミサイト「転職会議」のデータを調べてみました。
プリセールスの平均年収は?
「doda」の2018年9月~2019年8月に実施した調査によると、プリセールスの平均年収は625万円。
ちなみに男性では665万円、女性では503万円という結果になり、男女ともに日本人の平均年収よりも高い傾向にあることが分かりました。
また「転職会議」では、144件の投稿から導いた平均年収は609万円。
年代別に見ると、20代前半が361万円なのに対して40代以降は879万円という結果なので、スキルや実績を積み重ねることで着実に年収アップすることができるようです。
営業と比較すると?
プリセールスの年収を営業職と比較してみましょう。
まず「doda」では、営業職全体の平均年収は440万円。
プリセールスは625万円だったので、専門知識を必要とするため高めの傾向にあると分かりました。
ちなみに営業職の中で最も高いのは医薬品メーカー営業の659万円。
こちらも専門知識が必要となるため、高い年収となっているようです。
また「転職会議」では、法人営業は455万円、個人営業は425万円、ルートセールス・代理店営業は410万円。
同サイトではプリセールスの平均年収が609万円だったので、一般営業職よりも高い年収でした。
ITエンジニアと比較すると?
プリセールスのように営業現場へは行かずに開発を専門としているITエンジニアと比較すると、どのような違いがあるのでしょうか。
「doda」では、システム開発/運用は471万円、サーバーエンジニアは467万円、Webサービスエンジニアは429万円。
プリセールスはエンジニアとしてのスキルだけでなく営業スキルも必要とするため、開発専門のエンジニアよりも高めの年収を得ることができるようです。
また「転職会議」では、データベース設計・構築・運用・保守は447万円、プログラマは399万円となっており、こちらもプリセールスのほうが高い傾向にありました。
プリセールスは外資系?1000万円プレーヤーをめざせ
プリセールスの平均年収が他の職種に比べて高めの傾向にありますが、さらに高い年収を目指すことも可能です。
プリセールスとして活躍している人の中には1000万円プレーヤーも少なくありません。
プリセールスで1000万円以上の年収を目指す場合は、どのようにしたら良いのでしょうか?
近道は転職?
プリセールスとして高い年収を目指すのならば、まずは今の会社に条件を相談してみましょう。
収入や待遇などを相談することで、今いる会社で年収アップを目指すこともできます。
しかし交渉がうまくいくことばかりではありません。なかなか条件面での折り合いがつかない場合は、転職も検討しましょう。
プリセールスはニーズが高まってきているので、経験者は転職市場での価値も高めです。
最初から好条件で迎えてくれる転職先もあるため、転職で高収入を実現する方法もあります。
高給を目指すなら外資系は近道
一般的に外資系企業は高収入ですが、プリセールスという職種の世界でも外資系企業は高収入を狙うことができます。
外資系企業がなぜ年収が高めなのかというと、個人の成果を重んじる傾向にあるという背景が大きいです。
実績や実力をしっかりと評価し、それに見合う報酬を与えるのが外資系企業ならではの文化。
日本でも成果主義を取り入れる企業が増えてきましたが、やはりその文化は外資系企業のほうが進んでいるので「成果を挙げた分をしっかり評価してもらいたい」という人は外資系に集まります。
国内系では大企業・通信系
もちろん日本企業でも年収1000万円を目指すことは可能です。
その場合は、大企業を狙いましょう。
大企業は収入が安定しており、経験を重ねていくことで年収もアップします。
また、通信業界の企業も狙い目。スマホやITがどんどん広がっている時代なので、通信業界はこれからも安定して収入を得られることが予想されます。
通信業界は国内最大の業界規模とも言われていますし、今後も進歩していくことが期待できるので、高収入を目指すには最適な業界でしょう。
プリセールスのキャリアアップに有効なのは?
プリセールスとして収入増を目指すのならば、スキルを積んでキャリアアップをしましょう。
プリセールスのキャリアアップに役立つポイントについてご紹介します。
英語力
ITの最新技術は海外から発信されることが多いため、英語力を身につけておくといち早く最新情報を入手することができます。
また海外のクライアントの案件を担当できたり、海外のエンジニアと交流を持ったりすることもできるため、自身の経験を積むことにもつながります。
実績を作る
豊富な実績がある人材は市場価値も高く、収入もアップします。
実績をたくさん作り、自身の市場価値を高めましょう。
多くの案件を担当するだけでなく、チームリーダーやプロジェクトマネージャーなどを経験することも重要です。
資格はあるとプラス
資格を持っていることもプラスに評価されます。
自身のスキルの証明ともなるので、顧客からの信頼度も上がるでしょう。
IT系の資格は「情報技術者試験(基本・応用)」「ITパスポート試験」「ITストラテジスト試験」などがあります。
業界や商材に応じて取るべき資格を検討してください。
プリセールスは職場を選ぶと1000万円プレーヤー続出
プリセールスは日本人の平均年収よりも高めの収入を得ることが期待できます。
さらに収入アップを目指したい人は、外資系や大企業などを選ぶと良いでしょう。
自身の経験やスキルを活かして1000万円プレーヤーを目指してキャリアアップしてください。